お侍様や日々の事をポツポツと。
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引越し第七弾。
お引越しはここまで。
お題のよっつめ。
両想いその後の二人。
勿論前回のお題と続いて……ま、す(自信薄)
お題のよっつめ。
両想いその後の二人。
勿論前回のお題と続いて……ま、す(自信薄)
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《 04 不釣合いだなんて言わせない 》
傍に在る為に。
「カンベエ様。斬艦刀の整備班からの通達なんですが・・・」
「カンベエ様。こちらの書類にもお目通しを」
「カンベエ様。午後の会議の資料ですが・・・」
「・・・・・・シチロージ。近頃のお主はよう働くが、何かあったのか」
怪訝半分・呆れ半分と言った声色に振り返りにっこりと笑う。
カンベエも気づいているのだ。
シチロージは、想いが叶った日から変わった。
以前も優秀な副官であったが、現在はそれにも増して仕事熱心だ。
当初は浮かれているのかと思っていたカンベエも余りの熱心ぶりにその考えはハズレと漸く気づいたのである。
手元の紙をパサリと放り、カンベエはシチロージを手招いた。
素直に従い(元より逆らう気すら無いのだが)距離は埋まる。
机を挟んで、二人の男が目を細め合った。
「・・・・・・何を、企んで居るのだ?」
「企むなどと、人聞きの悪いことを」
「お主の機嫌が良いと、ワシはおちおち仕事もできぬ」
無茶な事をする己を口やかましく咎める古女房が常のこと。
機嫌が良い時は、大抵己にとって良くない事が起こる時である。
「純粋に、恋愛成就を喜んでいるだけです」
「一月は経つ筈だがな。お主はそれ以外に楽しみがないと申すか」
カンベエは小さく息をついた。
元来こう言った駆け引きは苦手なのだ。
「言葉遊びは好かぬ。知って居ろう」
「遊んでる心算は無かったんですがね。ただ必死なだけって話ですよ」
「必死、だと?お主が必死な所など、出会ってから一度も見た事が無いぞ」
「そりゃ手厳しいことで」
「・・・・・・・・・・・・シチ」
苛立ちを含んだ声が咎めれば、シチロージは苦笑を零す。
生真面目にも持ったままでいる書類の束をカンベエと同じく机に放った。
バサッ、とカンベエの時よりも大きな音が机を叩く。
「立場を弁えてるだけです。貴方は軍師で私は貴方の副官。そうでしょう?」
「・・・・・・何を言うかと思えば」
「当たり前の事と?そうです、当たり前の事ですよ。だからこそ、弁えなくちゃならない」
「・・・?」
「解りませんか」
いつの間に逆転していたのか、今度はシチロージの声が棘を潜ませている。
「私は、貴方の副官です。周りの評価だって、その通りにしか映らない」
「・・・ワシよりも上に行きたいなら、補佐などせねば良いであろう」
的外れなことを言っているとは思う。思うがしかし、他に言葉が出ないのだ。
シチロージはそんな内心の歯がゆさを察してくれているようで、憤る事無く苦く笑った。
「副官である限り、同等の立場ではない・・・釣り合わないのです、立場が。その生の、重さが」
「ッ・・・そんな事は、」
「主従とは、そういうものです」
だからせめて・・・と、シチロージはここにきて初めて自嘲の笑みを零した。
「シチロージ在っての島田カンベエ・・・そう言われるような、唯一無二の副官に、私はなりたい」
「・・・・・・・・・たわけ」
漸くシチロージの意図を聞き届け、カンベエは小さく呟く。
囁きにも似た言葉に、シチロージは形の良い眉を顰めた。
「たわけとはどういう、」
「今のワシが在るのはお主のお陰だ。周りの言うことなど知らぬ」
反論の言葉を遮り、言い聞かせるような、慈愛に満ちた声が部屋に響く。
目を丸くさせるシチロージに、カンベエは微苦笑を見せた。
「故に、お主とワシは対等・・・これは三千殺界の誰が申しても変わらぬことよ」
不満か、と問う声にシチロージは首を振って応えた。
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実はぶっちゃけ何も考えてなくてパソに向かってその場で書きなぐったもの(ホントにぶっちゃけたし・・・)
三番目のお題だけ書きたくて頂いたのでお先真っ暗状態(いや、真っ白?)でした。
当初ちゃんと考えてたのではカンベエの情人は五番目のお題くらいまで生きててそこらへんでくっつく感じだったのです・・・死なせちゃったv
オリキャラを出すと妙な妄想が繰り広げられそうだったので止めました。妄想始めたら止まらない奴なので・・・
これからも詰まり詰まりでしょうができたら見守っててください。
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