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お侍様や日々の事をポツポツと。

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引越し第四弾。
お題のひとつめです。
大戦時代の二人。でもってシチ→カン。
微妙に黒シチですが、これから軌道修正予定……の筈。













 * * * * * * * * * *









 《 1 未経験区域 》



 こんな感情は、知らない。







「…カンベエ様。ちょっと良いですか?」

「んー…」

 かけた声に返ってきたのは上の空な空返事。
 彼の人の視線の先には一枚の薄っぺらい紙。
 仕方のない人だと思いやれやれと頬を掻く。

「カンベエ様」

「…」

 今度は空返事すら返って来はしない。
 それ程難題が書き連ねられた書類なのか。
 それにしたって無視をされるのは心地よいものではなく。

「カ・ン・ベ・エ・さ・ま」

「……何だ、シチ。怖い顔をして」

「無視されりゃ機嫌も悪くなりまさぁね」

「…すまぬ。後にしてくれぬか」

 眉を下げて、困ったような笑みで言われれば引くしかない。
 惚れた者負けと言うべきか、どうにも一歩踏み込みきれず。
 その上この主には一応の情人も存在している訳で。
 だから、余計に。

「…………でしたら後にします」

「すまぬな」

「いいぇ」

 目の前の、触れてはいけない存在に愛しさが募る。
 こんな無闇な衝動は、とっくに卒業していた筈なのに。
 自分だけのモノにしたい。
 閉じ込めて、メチャクチャに壊してやりたい。
 凶暴な欲求ばかりが溢れ出してきて仕方がなくなる。
 けれどだからこそ尊重したくて、大切にしたくて。
 結局八方塞になり、己だけが独りよがりにも苦しむのだ。



(昨夜の名残が首に残ってますよ、カンベエ様)



 彼の人の首筋に残る所有印の存在を告げようとしたのに。
 黙せと言ったのは貴方自身の方なのですからね。



 大切にしたくて、壊したくて。

 恋や愛だなんて、そんな生易しいものでもなくて。








 こんな衝動の、名前すらまだ解らない。








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……あいたたですね;;
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